IT企業のSE(いわゆる普通のSE)から社内SEへの転職をするかどうかで悩まれているかたは多いのではないでしょうか?
- SIerのSEは残業が多すぎてつらい・・・
- 社内SEって楽なイメージがある
- 社内SEの給料は安いの?
などなど
こういった疑問をお持ちかと思います。
そこでこの記事では、実際にわたしがIT企業から大手メーカーの社内SEに転職した体験をもとに、社内SEへ転職することのメリットやデメリットをご紹介したいと思います。
もしいま社内SEへ転職しようか迷われているのであれば、この記事を読めばある程度のイメージが湧くようになるかと思います。
Contents
社内SEへの転職は検討する価値あり!
結論からお伝えしますと、
社内SEへの転職は検討する価値アリアリです。
まあこれは失敗談も多くありますし、どんな企業からどんな企業に転職するかで変わってきますから一概には言えることではありませんが、あくまでわたし個人の実体験としては、社内SEに転職してよかったと感じています。
それではまずわたしの経歴について簡単に紹介させていただきます。
わたしの経歴のご紹介(前職・現職)

前職
従業員4,000名ほどの、それなりに名前の知れたSIerでSEをやっていました。
メーカーの新規システム導入や、既存システムの維持保守が主な仕事内容。
約7年間ほどこの企業に勤めていました。
現職
国内最大手の医薬品メーカーの社内SEをやっています。
転職してからまる3年がたち、いま4年目を迎えているというところです。
ちょうどSEとしての経歴10年がたった形ですね。(しみじみ)
実は大学ではまったくITに関係のない分野を専攻していたので、勉強続きの10年でした。長いようであっという間でしたね。。
わたしの体験談
ここからはわたしの体験をもとに、社内SEの具体的な内容について触れていきたいと思います。
仕事内容は?
イメージどおりかと思いますが、社内のシステムの維持保守や、新規システムの導入プロジェクトへの参加が主な仕事内容です。
実はこれは前職でも同じで、前職でも顧客の既存システムの維持保守や、新規システム導入をやっていました。
大きな違いは、自分の立場ですね。
SIerのSEは、あくまでお客様のために働きます。一方で、社内SEは自社の業務部門(システムユーザー)のために働きます。
そのためある意味、社内SEのほうが相手と対等な立場で仕事ができるわけです。
ただし、業務部門はわれわれIT部門からするとサービスを提供する先なので、SIerあがりのわたしはあくまで「業務部門=お客様」の精神で仕事をしています。(前職からのマインドが抜けきっていないというのも大いにありますが・・・)
とはいえ、相手が実際の顧客か自社の人間かという点は、いざという場面でメンタルへの影響が大きく変えるものです。
これは極端ですがわかりやすい例として、構築したシステムに対してめちゃくちゃ理不尽なクレームがあった場合、
- 相手が顧客の場合 ⇒ 平謝りして残業して死に物狂いで対応するしかない
- 相手が社内の人間の場合 ⇒ 上司やHRに相談してパワハラ等でうったえる選択肢もあり
というような具合です。
また、実際にユーザーからの風当たりが社内SEのほうが良いという印象も受けています。
ひとによりますが前職では完全に自分のことを人間として扱わずに無茶な依頼ばっかりしてくる客もいましたからね。いまは同じ会社の社員という立場で、飲みいったりして対等な立場を築けています。
スキルアップできる?
一般的には、SIerのSEとして働くほうが最新のIT技術が身に付きやすいとされていますね。
ただ何をもってスキルアップと考えるかですが、アプリケーションやインフラ等のまさにITスキルであれば、確かにSIerのほうが身に付く機会は多いと思います。
一方で社内SEはユーザーとの距離が近く、日々の業務部門とのやり取りを通じて、より業務知識が身に付きやすいですし、業務部門との調整力やベンダーの管理力などもひとつのスキルかと思います。
またITスキルも全く身につかないわけではなく、保守やプロジェクトを通じて学べる機会も多くあります。
加えて、会社にもよると思いますが社外のセミナーやトレーニングへの参加機会を与えてくれる場面もあると思いますので、最新の技術を知りたいと思うなら自分の姿勢次第でどうにでもなったりします。
給料は?
収入面も、転職するかどうかの判断で非常に重要なポイントですよね。
社内SEに転職することで給料は高くなるのか安くなるのか?
こたえは、転職先の企業によります。
企業の給与体系は基本的にIT部門であろうがその他の部門であろうが変わらないため、転職先の企業の給与水準に依存します。
わたしの場合、給与水準が世の中的には高めといわれている医薬品メーカーに転職したため、前職に比べて2倍弱ほど給料は増えました。
社内SEのメリット・デメリットのまとめ
それではここで社内SEのメリット・デメリットを、SIerのSEのそれと比較するかたちで整理します。
社内SE | SIerのSE | |
メリット |
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デメリット |
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|
わたしの経験と主観が入ったプロコンなので極端かもしれませんが、社内SEのほうがメリットが多いように思います。
本当に最新のIT技術を磨き続けたい、というかたには社内SEへの転職はおすすめできませんが、そうでなければ社内SEへの転職はわたしはおすすめします。
ちなみに・・・新卒で社内SEという選択肢について
この記事では、社内SEへの転職についてわたしの体験をもとにご紹介することがメインの目的ですが、新卒採用で社内SEになるという選択肢についても意見を述べたいと思います。
これも想像ではなく、いまの会社でIT部門に配属された新入社員を何人か見てきての意見なので、いちおう実体験にもとづいた意見として捉えていただければと思います。
結論としては、わたしはあまりおすすめしません。
理由としては以下のとおりです。
- いきなり要件定義などの上流工程に携わってもわからないことだらけで技術力が身につきにくい
- 会社の教育制度がしっかりしていれば技術力を身につけることができるかもしれないが、結局は実践なくしては腹落ち感あるものにはならない
- 先輩社員から本質的ではない雑用を頼まれやすい(会議室予約などのアドミン業務)
など。
どうせ雑用を頼まれるなら、プログラミングやテストに関する本質的な雑用(すでにこれは雑用とはいわず立派な仕事ですが)をするほうが経験値になります。
社内SEとして働くためのスキルセットの土台は、IT企業で一度死に物狂いで働いて身につけたほうが良い、というのがわたしの考えです。
まとめ
いかがでしたか?
この記事では、わたしの体験談をもとに社内SEの仕事内容やスキルアップ、給与などをご紹介し、「IT企業から社内SEに転職する選択肢について検討する価値は大いにあり」ということをお伝えしました。
もしいま社内SEへの転職で悩まれているかたは、この記事をぜひ参考にしていただければと思います。
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