さて前回の記事では、サラリーマンが短期間で大きく稼ぐにはスイングトレードのスタイルがおすすめであることを紹介しました。
スイングトレードは数日から数週間(長くて数か月)で売買を成立させる投資スタイルで、これはあくまで売買の期間についての定義です。株を買ってから売るまでの期間ですね。
サラリーマンにはデイトレードは物理的に難しいですし、中長期投資はもちろん可能ですが利益が発生するまでに時間がかかります。
そのため、私はスイングトレードをおすすめしますし、自分も実践して利益を出しています。
ただ、スイングトレードをするにしても必ず銘柄選定をしなければ取引は始まりません。
そこで本記事では、どのように銘柄選定するのが良いのかをご紹介したいと思います。
Contents
ファンダメンタルズ分析とテクニカル分析


ぜんぜん難しくないよ。わかりやすく説明してあげるね!
繰り返しになりますが、株式投資をするにはまずどの銘柄を買うか、そしてどのタイミングで買うかを決めなければなりません。
どれが良い銘柄なのかを分析するためには、その会社の業績や事業内容を確認します。
また、その会社の業界全体としての動向を見ておきたいですね。
そしてここで重要なのは、「企業の価値と株価に差がある場合に、その差を埋めるように株価は変動する」という法則です。
この法則に基づいて、株価の値動きを経済的な要因から予測する手法をファンダメンタルズ分析といいます。
要は、正しくその企業の価値と株価の本来価格を判断できれば、値動きが予測できるということですね。
一方で、「株価は需要と供給のバランスで決まる」という法則に基づいて、過去の株価や値動きから将来の株価を予測する手法をテクニカル分析といいます。
完全にテクニカル分析だけで勝負している投資家もいらっしゃいますし、両方を組み合わせて分析しているかたもいらっしゃるでしょう。
どちらの考え方も間違っていないので、自分の投資スタイルに合わせてどちらの分析を重んじるかを決定することが大事です。
なぜサラリーマンはファンダメンタルズ分析を重視すべきか
ファンダメンタル分析とテクニカル分析の使い分けですが、スキャルピングやデイトレードのような短期投資にはテクニカル分析が最適です。
一方、中長期の投資ではファンダメンタルズ分析とテクニカル分析を組み合わせた分析が有効でしょう。ファンダメンタル分析により銘柄を選定し、テクニカル分析により売買タイミングを決定する、といった具合です。
さて、私がおすすめしているスイングトレードですが、比較的短期の取引なためテクニカル分析が重要と言われることが多いです。
もちろんテクニカル分析による売買タイミングの判断は重要ですが、私はスイングトレードをするにあたってもファンダメンタルズ分析をめちゃくちゃ重要視しています。
理由は単純で、テクニカル分析だけに頼るよりも確実に勝率が上がるからです。
以下の2つなら、どちらが勝率が高いでしょうか?
① 株価が今後上がっていくという見通しがあるなかで、割安なタイミングで株を買う
② 今後株価が下がっていくかもしれないが、さすがに売られすぎているからいま株を買う
絶対に①です。そして①の「株価が今後上がっていく見通し」を立てることができるのがファンダメンタルズ分析なのです。
つまり、ファンダメンタルズ分析は株を売買するうえでの大前提だと私は考えています。
今後株価が上がっていくことが予測できていれば、買いタイミングを多少見誤ったとしても近いうちにプラスに転じてくれる可能性が高いですからね。そういう意味でも、安心感をもった取引ができるわけです。
もうひとつ、私がサラリーマンならファンダメンタル分析を重視すべきと思う理由としては、サラリーマンこそ企業の価値に興味を持とう!ということです。
・自分の会社の価値はどれくらいなのか?
・財務面でどれくらい健全なのか?
・ライバル企業はどうか?
など、サラリーマンだからこそ興味がもてる内容だと思いますし、興味を持つべきだと思います。
サラリーマンとして会社に勤めながらも、このあたりについて気にしたことがないかたは多くいらっしゃるのではないでしょうか。
ファンダメンタルズ分析には決算報告書を使おう!
ファンダメンタルズ分析の重要性について、だいぶイメージが湧いてきたのではないでしょうか。それでは、具体的にどのように分析するのでしょう。
まず、ファンダメンタルズ分析をするにあたっての基本的な情報源は「決算報告書(決算書)」です。
決算報告書とは、文字通り会社が決算を行った結果をまとめた報告書のことですね。
決算書を読めば、
・売上や利益をどんどん伸ばしている成長株(グロース株)や
・企業価値に比べて実際の株価が過小になっている割安株(バリュー株)
を見つけることができます。
そして上場企業はこの決算書を開示する義務があるのです。
会社四季報
株式投資をするにあたっては、まず約4000社ある上場企業のなかからどの企業の株に投資するのかを決める必要があります。
これら4000社すべての企業が決算書を開示しているわけですね。
「決算報告書ってなんか難しそう・・・」
「そんな4000もある会社の決算書を読むなんて無理やわー」
とお思いのかたも多いかもしれませんね。
安心してください。日本には最強アイテム『会社四季報』という書籍があるのです。
本屋には必ず置いてありますし、就職活動で企業研究に読まれたかたもいるかもしれませんね。まあ日本人なら一度は目にしたことがある本だと思います。
会社四季報は、東洋経済から1年に4回(春号・夏号・秋号・冬号)出版される書籍です。
- 企業の概要
- 株主情報
- 過去数年間の業績(実績)
- 将来の業績予想
- 財政状態
- 直近の株価チャート
などがコンパクトにまとまっている優れものです。かの投資の神様ウォーレン・バフェットさんも、「日本には四季報があるので投資にはとても優れた環境だ」とおっしゃっています。
投資のバイブルともいわれているほど、多くの投資家が活用している情報源ですが、時間がないサラリーマンにはなおさら重宝されるアイテムですね。
基本的には個人投資家であれば、会社四季報さえあれば情報源としては十分かと思います。
私の場合は、この四季報が発売されるやいなや目を通して、気になる銘柄をざっと洗い出します。
そして、洗い出した銘柄のなかでもさらに最新の情報を知りたい場合には、『決算短信』を確認します。
会社四季報での銘柄選定方法については以下の記事にまとめていますので、ぜひチェックしてみてください!
決算短信
決算短信とは、企業が開示する決算書類の「速報版」という位置づけの書類です。
企業の決算内容を最も早く得ることができる情報源が、この決算短信です。次に紹介する有価証券報告書に比べて内容が簡略化されているため、早く開示されます。
会社四季報は情報量としてはとてつもないのですが、3か月に1度の発売のため、どうしてもタイムリー性に欠けます。
そこで、会社四季報だけでは収集しきれないタイムリーな情報やより詳細な決算情報を調べたい場合には決算短信がとても有効です。
決算短信については以下の記事にまとめていますので、ぜひチェックしてみてください!
有価証券報告書
最後はこれです。会社四季報や決算短信よりもさらに詳細な情報を知りたい場合は『有価証券報告書』を見る必要があります。
有価証券報告書には詳細な決算報告書だけでなく、
- 企業の概況(沿革、事業内容、関係会社、従業員の状況など)
- 事業の状況(業績や生産状況、販売状況、受注状況、研究開発活動など)
- 設備の状況(設備状況、設備投資の概要、将来の設備計画など)
- 提出会社の状況(株主や大株主の状況、役員の状況など)
なども記載されており、ある企業を知るうえでの一番の情報源でしょう。
ただし有価証券報告書の最大の弱点は、開示されるまでに時間がかかるということです。
そのため、タイムリー性を求めるなら決算短信が良い情報源となります。
以上を整理をすると、
① まずは「会社四季報」で企業の概況をざっと調べる
② 気になる銘柄について最新の情報を「決算短信」で調べる
③ さらに詳細な決算情報や企業情報については「有価証券報告書」で調べる
の流れがオススメです。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
今回は、ファンダメンタルズ分析の重要性と、その情報源となる四季報や決算短信、有価証券報告書についてご紹介しました。
サラリーマンだけでなく投資家全般にあてはまる内容だと思いますので、ぜひ参考にしていただけると嬉しいです。
ファンダメンタルズってなに…投資の言葉って難しくてクラクラするわ…